
実家の火の元が心配です。コンロは気をつけてと言っていますが、それだけで足りるでしょうか…。
この記事では、実家の火の元が心配なときに見ておきたい場所について解説します。
結論から書くと、見落としが多いのはガスではなく電気と暖房のほうです。
置き方を変えるだけで減らせるものが、実家にはいくつもあります。
消防庁とNITEが公開している注意喚起をもとに整理しました。
実家の部屋を思い出しながら読んでみてください。
実家の火の元は、ガス以外に見落としが多い
火の元と聞くと、多くの人がガスコンロを思い浮かべます。
ただし、火を使っていない場所からも火事は起きています。
見落としやすい場所を並べてみます。
| 場所 | 火の元になるもの | 見落とされやすい理由 |
| 居間と寝室 | 電気ストーブ・電気毛布 | 火が見えないので油断しやすい |
|---|---|---|
| 家具の裏 | コンセント・延長コード | ほこりがたまっても見えない |
| 親の定位置 | たばこと灰皿 | 長年の習慣で指摘しにくい |
| 仏間 | ろうそくと線香 | 毎日のことなので話題に出ない |
| 台所と洗面所 | 電気ポット・アイロン | 切ったつもりになりやすい |
どれも、火を使っている意識がない場所です。
だから「コンロは気をつけて」だけでは足りません。
反対に、置き方を変えるだけで減らせるものも多くあります。
この記事の進め方です。
まず、実家で見落としやすい5つの火の元を見ます。
次に、置き方を変えるだけでできることを並べます。
季節によって増える火の元も、分けて扱います。
そのうえで、火災警報器だけでは足りない理由を説明します。
最後に、離れた家族に知らせが届く形を考えます。
ガスコンロの消し忘れは、別の記事に分けてあります。
まずは、見落としやすい5つから見ていきます。
実家で見落としやすい5つの火の元
帰省のときに見る場所を、この5つに絞ると分かりやすくなります。
どれも、見つけたその日に手を入れられるものです。
電気ストーブと電気毛布
1つ目は、火が見えない暖房器具です。
NITEは、電気ストーブは火を使わないぶん危機意識が薄れやすいと注意を呼びかけています。
布団や衣類が触れると、火事になるおそれがあるとされています。
暖房のまわりで見ておきたいのは、次の4点です。
- ストーブの近くに布団や衣類が置かれていないか
- カーテンのそばにストーブが置かれていないか
- ストーブの上で洗濯物を乾かしていないか
- 寝るときや出かけるときに電源を切る習慣があるか
NITEは、就寝時や外出時にプラグを抜くことも挙げています。
洗濯物を乾かす使い方は、実家でとくに多く見られます。
部屋が狭いと、どうしても物が近くなります。
置き場所を変えるだけでも、触れる心配が減ります。
電気毛布は、折りたたんだまま使わないようにします。
暖房は、離すだけで減らせる火の元です。
物を捨てるのではなく、置き場所を動かすだけで足ります。
参照:NITE(製品評価技術基盤機構)「衣類や布団などの可燃物の接触に注意!~暖房器具による火災を防ぐ~」
コンセントと延長コード
2つ目は、家具の裏に隠れたコンセントです。
NITEは、プラグにたまったほこりや水分で異常に発熱する現象を挙げています。
電気の通り道ができて発熱する、トラッキング現象と呼ばれるものです。
コンセントのまわりで見ておきたいのは、次の4点です。
- 長年差したままのプラグにほこりがたまっていないか
- 延長コードに何本も差して使っていないか
- コードが家具の下敷きになっていないか
- 冷蔵庫やテレビの裏を掃除できているか
NITEは、プラグの定期的な清掃を勧めています。
長く差したままの場所は、親も掃除していないことが多いです。
家具の裏は、帰省のときに家族が拭くのが早い方法です。
コードが通り道に出ていると、つまずく元にもなります。
古い延長コードは、新しいものに替えておきます。
コンセントは、拭くだけで減らせる火の元です。
親には頼みにくい場所なので、帰省のときに家族がやります。
コードが通り道に出る問題は高齢の親の転倒が心配なときの5つの対策でもまとめています。
参照:NITE(製品評価技術基盤機構)「電源プラグ トラッキング現象で発火」
たばこと灰皿
3つ目は、長年の習慣になっているたばこです。
やめてほしいと言っても、受け入れられないことが多くあります。
吸うのを止めるより、置き方を変えるほうが現実的です。
たばこのまわりで見ておきたいのは、次の4点です。
- 灰皿が深く、倒れにくいものか
- 吸う場所が決まっているか
- 布団やソファの上で吸う習慣がないか
- 灰皿の近くに紙や布が置かれていないか
吸う場所を1か所に決めてもらうだけでも変わります。
浅い灰皿は、火のついたまま落ちることがあります。
水を少し入れておく形にしてもらう方法もあります。
寝ながら吸う習慣があれば、場所を移してもらいます。
やめさせる話にすると、ほかの相談もできなくなります。
たばこは、やめてもらうより場所を決めるほうが進みます。
責める言い方をすると、話が止まってしまいます。
灰皿を家族が買って置いていくだけでも手が打てます。
仏壇のろうそくと線香
4つ目は、毎日のことなので話題に出ない仏壇です。
ろうそくと線香は、実際に火を使っています。
習慣になっているぶん、家族も気づきません。
仏壇のまわりで見ておきたいのは、次の4点です。
- ろうそくの近くに造花や紙のものがないか
- 線香を立てたまま部屋を離れていないか
- 仏壇の上や横にカーテンがかかっていないか
- 電気式のろうそくに替えられないか
電気式のろうそくや線香立てに替える方法もあります。
ただし、親の気持ちに関わることなので押しつけません。
まずは、まわりの燃えやすいものを片づけるだけにします。
造花や紙の飾りは、離して置いてもらいます。
お参りのあとに消したかを確かめる習慣も伝えます。
仏壇は、まわりを片づけるだけでも変わる場所です。
やり方を変えてもらうのは、あとの相談にします。
帰省のときに、一緒にお参りしながら見ておきます。
切り忘れやすい電気製品
5つ目は、切ったつもりになりやすい電気製品です。
アイロンや電気ポットは、置いたまま忘れることがあります。
自動で切れる機能がない古い製品は、とくに気をつけたいところです。
電気製品で見ておきたいのは、次の4点です。
- アイロンに自動で切れる機能があるか
- 電気ポットが空のまま保温になっていないか
- 古い扇風機のほこりがたまっていないか
- 使っていない家電がつないだままになっていないか
自動で切れる機能のあるものに替えると、負担が減ります。
使っていない家電は、プラグを抜いておきます。
扇風機のモーター部分のほこりも、帰省のときに払います。
古い家電は、年数を見て買い替えを相談します。
買い替えは、親の同意を得てから進めます。
電気製品は、機能で補える火の元です。
自動で切れるものに替えるだけで、心配が減ります。
次は、置き方を変えるだけでできることを並べます。
置き方を変えるだけで減らせる4つのこと
物を捨てたり、使い方をやめてもらう必要はありません。
帰省のあいだに、置き方を変えるだけでできることがあります。
手間の軽い順に並べたのが次の表です。
| やること | どこで | かかる手間 |
| 暖房のまわりの布と紙をどかす | 居間・寝室 | その日のうちにできる |
|---|---|---|
| プラグのほこりを拭く | 家具の裏・冷蔵庫の裏 | その日のうちにできる |
| 灰皿を倒れにくいものに替える | 親の定位置 | 買ってくるだけ |
| 使っていない家電のプラグを抜く | 家全体 | その日のうちにできる |
どれも、親に習慣を変えてもらう話ではありません。
家族が手を動かすだけで終わるので、角が立ちません。
置き場所を変えたときは、親に一言伝えておきます。
やるときに気をつけたいことです。
黙って物を捨てると、あとで関係がこじれます。
どかしたものは、どこに移したかを伝えておきます。
親が使いにくくなる場所には動かしません。
1回の帰省で全部やろうとしなくて構いません。
気になった場所を写真に撮っておくと、次と比べられます。
次の帰省で元に戻っていたら、置き場所を考え直します。
置き方を変えるのは、親の力を否定しない手の打ち方です。
ここまでで、見落としやすい火の元は減らせます。
季節によって増える火の元
火の元は1年中同じではなく、季節で入れ替わります。
帰省の時期に合わせて、見る場所を変えます。
冬:暖房が増える
冬は、火の元がいちばん増える季節です。
ストーブや電気毛布、こたつが一度に出てきます。
部屋が狭くなるので、物との距離も近くなります。
冬に見ておきたいのは、次の4点です。
- 出したばかりの暖房のまわりに物がないか
- こたつのコードが傷んでいないか
- ストーブの給油を親がしているか
- 暖房を使ったまま寝る習慣がないか
しまっていた暖房は、出した直後に見ておきます。
コードの傷みは、しまっている間に起きることがあります。
給油が負担なら、電気の暖房に替える相談もできます。
寝るときにつけたままなら、切れる仕組みのものを選びます。
寒さそのものへの備えも、あわせて考えたい時期です。
冬は、暖房を出すタイミングで見るのが早いです。
11月ごろの帰省で、一度に確かめられます。
冬の実家の備えは実家の冬のヒートショック対策でもまとめています。
夏:虫よけと扇風機
夏は、蚊取り線香と古い扇風機が増えます。
蚊取り線香は火を使うので、置き場所が問題になります。
扇風機は、モーターにほこりがたまったまま使われがちです。
夏に見ておきたいのは、次の4点です。
- 蚊取り線香を畳や紙の上に直接置いていないか
- 寝ながら蚊取り線香を使っていないか
- 扇風機のほこりがたまっていないか
- 何年も同じ扇風機を使っていないか
蚊取り線香は、受け皿のある台に置いてもらいます。
電気式の虫よけに替える方法もあります。
扇風機のほこりは、帰省のときに払っておきます。
古い扇風機は、動きや音がおかしくないかも見ます。
暑さそのものへの備えも、同じ時期に確かめます。
夏は、置き場所と掃除で足りる季節です。
お盆の帰省で、まとめて見ておけます。
電気式に替えるなら、親に使い方を伝えてから渡します。
年末年始:火を使う行事が増える
年末年始は、ふだん使わない火が出てくる時期です。
ろうそくや飾り、来客で使う調理の道具が増えます。
人の出入りも多く、置き場所が変わります。
年末年始に見ておきたいのは、次の4点です。
- 飾りがろうそくや暖房の近くにないか
- 来客用の暖房を増やしていないか
- 延長コードを増やして使っていないか
- ふだん使わない調理の道具を出していないか
お正月の飾りは、燃えやすいものが多くあります。
来客で暖房を増やすと、コンセントの負担も増えます。
延長コードを足すときは、本数を確かめます。
片づける時期も、親と決めておきます。
帰ったあとに元へ戻っていないかも、電話で聞けます。
年末年始は、増えたものが片づかないことが問題です。
置いたままにならないよう、片づける日を決めます。
帰省のうちに、飾りの置き場所だけでも直しておきます。
ガスコンロの消し忘れは別に備える
ここまでは、ガス以外の火の元を扱いました。
コンロの消し忘れは、備え方が少し違います。
今のコンロには、火を自動で止める機能が付いているものがあります。
- 実家のコンロに自動で止まる機能があるかを確かめる
- お湯を沸かす作業は電気のポットやケトルに移す
- 火を使う回数そのものを減らせないか考える
コンロは、道具を替えることで減らせます。
親に気をつけてもらうより、確実な方法です。
消し忘れへの備え方は実家のガスの消し忘れが心配なときの5つの備えでまとめています。
火災警報器は家の中で鳴るだけ
実家にも住宅用火災警報器が付いているはずです。
ただし、警報器は家の中で音を出して知らせる機器です。
離れて暮らす家族のスマホに届く仕組みではありません。
消防庁の資料では、警報器について次のことが案内されています。
点検のボタンやひもで、音が鳴るかを確かめられます。
交換は10年を目安にするよう案内されています。
台所に必要かどうかは、地域の決まりによって違います。
電池が切れると、音や光で知らせる機種があります。
実家の警報器は、設置した年を本体で確かめられます。
借家の場合、設置するのは建物の持ち主になります。
帰省のときに、押して音が鳴るかを確かめるのが確実です。
年数が分からない警報器は、交換を考える時期かもしれません。
ただし、鳴っても誰も家にいなければ気づかれません。
| 仕組み | 誰が気づくか | 離れた家族に届くか |
| 住宅用火災警報器 | 家の中にいる人・近所の人 | 届かない |
|---|---|---|
| 複数が連動する警報器 | 家の中の別の部屋にいる人 | 届かない |
| 警備会社の火災監視 | 警備会社が感知して動く | 届く |
一人暮らしの実家では、鳴っても気づかれない時間があります。
ここを埋めるには、外へ知らせが行く仕組みが必要になります。
2社で火災の扱いがどう違うかはセコムとアルソックの見守りはどっちが良いかで並べています。
離れた家族に火災を知らせる仕組みを足す
警報器の次の一手は、外へ知らせが行く形です。
警備会社のサービスには、火災を感知して知らせる仕組みがあります。
会社によって、基本に含まれるかオプションかが違います。
| 確かめること | 見るポイント |
| 火災の感知が基本に含まれるか | 基本サービスか、オプションで足すのか |
|---|---|
| 感知したあと誰が動くか | 警備会社が向かうのか、家族に知らせが来るのか |
| 実家が対応の範囲か | 住所が範囲に入っているかを先に確かめる |
| 取り付けができるか | 借家なら契約の中身も確かめる |
火災の感知は、会社によって扱いが違う部分です。
基本に含まれるのか、足すのかで費用も変わります。
到着までの時間は、状況や地域によって異なります。
実家に入れる場合は、火災以外のこともまとめて考えられます。
防犯や救急の通報を、同じ機器でまとめられる会社もあります。
別々に用意するより、手続きが1回で済みます。
契約の名義や立ち会いの段取りも、先に決めておきます。
資料を取り寄せるだけなら、契約は発生しません。
親と一緒に読んでから決められます。
セコムの親の見守りプランは、火災の監視が基本のサービスに入っています。
実家で何を感知する形になるのかを、資料で先に確かめられます。
ALSOKのみまもりサポートは、火災の感知をオプションで足せる形になっています。
必要なものだけを選べるので、資料で組み合わせを確かめられます。
契約や立ち会いの決め方は実家に見守りサービスを入れるときに決める5つのことでまとめています。
万一のときのために決めておく3つのこと
火の元を減らしても、起きたときの備えは別に要ります。
親と家族で、先に決めておきたいことが3つあります。
順に並べたのが次の表です。
| 決めること | 決め方の例 |
| 消すものの置き場所 | 台所に住宅用の消火器具を置き、親が分かる場所にする |
|---|---|
| 逃げ道 | 寝室から外へ出る道を1つ決めて、物を置かない |
| 近所への伝え方 | 隣の家に、一人暮らしであることを伝えておく |
いちばん効くのは、逃げ道に物を置かないことです。
廊下や玄関に物が増えると、出口がふさがります。
消火よりも、まず外に出てもらうのが前提になります。
親に伝えておきたいことです。
無理に消そうとせず、先に外に出てもらいます。
消火器具は、使い方を一度一緒に見ておきます。
古い消火器具は、年数を確かめて入れ替えます。
近所に一人暮らしだと伝えておくと、気づいてもらえます。
消防への連絡のしかたも、親と話しておきます。
自治体の窓口で、高齢者向けの備えを相談できる場合もあります。
備えは、減らす側と起きたあとの側の両方で考えます。
どちらも、帰省のうちに話せる内容です。
よくある質問
実家の火の元について、よく寄せられる質問をまとめました。
- Q実家の火の元で、まず何を見ればいいですか?
- A
- Q親のたばこをやめさせたほうがいいですか?
- A
- Q火災警報器があれば離れていても安心ですか?
- A
- Qガスコンロの消し忘れもこの記事で足りますか?
- A
- Q実家が借家でも火災警報器や機器は付けられますか?
- A
まとめ:火の元はガス以外を見て、知らせが外へ届く形にする
実家の火の元で見落としやすいのは、火を使っていない場所です。
暖房のまわり、プラグのほこり、灰皿、仏壇、切り忘れの5つです。
どれも、置き方を変えるだけで減らせます。
まずは、暖房のまわりに何が置かれているかを思い出してみてください。
布や紙をどかすだけで、その日から変わります。
そのうえで、鳴ったときに誰が気づくのかを考えます。

コンロばかり気にしていました。暖房とコンセントから見てみます。
一人暮らしの実家では、鳴っても気づかれない時間があります。
資料を取り寄せるだけなら、契約は発生しません。
セコムは火災の監視が基本に入っているので、防犯や通報とまとめて考えられます。
実家の間取りで何を置けるのかを、親と読みながら決められます。
ALSOKは必要な感知だけをオプションで足せるので、小さく始められます。
実家に合う組み合わせがあるかを、資料で並べて確かめられます。
見守りの方法全体は離れて暮らす親を見守る10の方法でまとめています。
