
見守りサービスをいくつか見てみたけれど、どれも良さそうで決められない…
この記事では、見守りサービスの選び方について解説します。
決められないのは情報が足りないからではなく、比べる項目が決まっていないためです。
見るべき項目を7つに絞ると、候補は2つか3つまで自然に減ります。
私自身も各社の内容を並べて比べ、どこで判断すべきかを整理してきました。
比べる順番を決めておくと、資料を読む時間もかなり短くなります。
選べないのは、比べる項目が決まっていないから
各社のサイトを見比べても決められないのは、よくあることです。
どこも良さそうに見えるのは、比べる軸がないまま読んでいるためです。
先に項目を決めてから読むと、同じ資料でも見え方が変わります。
各社の資料は、自社の強い部分から書かれています。
読む順番を相手に任せると、比べているつもりで比べられません。
こちらの項目に当てはめて読むと、違いがはっきりします。
項目が決まっていれば、資料を読む時間そのものも短くなります。
なお、この記事は候補がある程度絞れたあとの段階を想定しています。
そもそもどんな型があるのかは、先に確認しておくと迷いません。
型ごとの違いは離れて暮らす親の見守りサービス7種類で整理しています。
候補を見比べるときの7つの項目
ここからは、候補を並べたときに見る7つの項目を順番に見ていきます。
まずは、続くかどうかを左右する項目からです。
親が操作する必要があるか
7つのなかで、続くかどうかを左右する項目です。
導入できたかどうかではなく、半年後も動いているかで判断します。
親が覚えることが多いほど、途中で止まる可能性が上がります。
- 親のスマホにアプリを入れる必要があるか
- 電源を入れ直す、設定を触る場面があるか
- 充電や電池の交換を誰がやるのか
- 親が覚えることの数(ゼロが理想)
- 取扱説明書を読まずに使えるかどうか
- 機器を身につけてもらう必要があるか
- 置くだけで済むか、設置の作業が必要か
- 設置の作業は誰が来て、どのくらいかかるか
資料に書かれていない場合は、問い合わせて確かめます。
聞き方は「親側に必要な操作はありますか」で足ります。
操作が要らない選び方はスマホが苦手な親を見守る方法7選で紹介しています。
異変があったとき、誰が動くのか
資料を読むとき、ここを最初に確かめます。
知らせが家族に届くだけなのか、業者の窓口につながるのかで意味が変わります。
窓口につながる場合も、その先に人が向かうかどうかは別の話です。
- 知らせが届くのは誰か(家族/業者の窓口)
- そのあと人が向かうのか、連絡だけで終わるのか
- 家族から依頼したときも動いてもらえるか
- 鍵を預けておく仕組みがあるか
- 連絡がつかないときに、どこまで対応してくれるか
- 家族が到着するまでの間、どうしてもらえるか
- 対応した内容を、あとから家族に伝えてもらえるか
実家が遠い家庭ほど、この項目の重みが大きくなります。
知らせが届いても家族が数時間動けないなら、その時間を誰かが埋める必要があります。
距離との関係は一人暮らしの高齢者を見守るにはで整理しています。
知らせが届く条件を変えられるか
見落とされがちですが、使い続けられるかに直結します。
知らせが多すぎると、そのうち家族が見なくなってしまいます。
逆に条件が厳しすぎると、気づいてほしい場面で届きません。
- 何時間動きがなければ知らせるかを変えられるか
- 夜間の扱いを別に設定できるか
- 旅行や入院で家を空けるときに止められるか
- 変更の手続きは家族側でできるか
- 知らせを受け取る時間帯を指定できるか
- 設定を変えるのに費用がかかるか
- 変更が反映されるまでにかかる時間
親の生活リズムは人によって違うため、調整できるほうが合わせやすくなります。
朝が早い親と遅い親では、同じ設定では合いません。
使い始めてから直せるかどうかを、申し込む前に確認しておきます。
対応している地域と時間帯
実家の住所が対応エリアに入っているかは、先に確かめます。
人が向かう形のサービスは、地域によって対応が変わることがあります。
訪問してくれるサービスも、回っている地域が限られる場合があります。
- 実家の住所が対応エリアに入っているか
- 受付は24時間か、時間が決まっているか
- 夜間や休日の扱いがどうなっているか
- 年末年始の対応はどうなるか
- 引っ越したときに継続できるか
- 対応エリア外だった場合の代わりがあるか
- 実家が集合住宅でも使えるか
- 管理会社への確認が必要かどうか
特に確かめたいのが夜間の扱いです。
家族が動けない時間帯こそ、任せたい部分だからです。
資料に小さく書かれていることがあるので、注意して読みます。
費用の内訳がどうなっているか
月々の負担だけを見て決めると、あとから差が出ます。
見るのは金額の大小ではなく、何にいくらかかる構成になっているかです。
同じ機能でも、初期にまとめて払う形と毎月ならす形があります。
- 機器の代金は買い取りか、借りる形か
- 設置の工事が必要か、費用はどちらの負担か
- オプションを付けたときにどう変わるか
- 解約したときに返すものがあるか
- 家族が費用を払う形にできるか
- 支払い方法に選択肢があるか
- 途中でプランを変えたときに差額がどうなるか
初期の負担が軽い形は、そのぶん月々が高めになることがあります。
何年使うつもりかを決めてから見比べると、判断しやすくなります。
金額そのものは変わることがあるため、公式サイトでご確認ください。
最低利用期間と、やめるときの条件
始める前に見ておくと、親を説得しやすくなる項目です。
「合わなければやめられる」と言えるかどうかで、話の進み方が変わります。
最低利用期間があるサービスもあるため、申し込む前に確かめます。
- 最低利用期間があるかどうか
- 途中でやめるときにかかるものがあるか
- 機器の撤去や返却が必要か
- 申し出の方法と、いつまでに伝えるか
- 一時的に止めておくことができるか
- プランを途中で変えられるか
- 一定期間ごとに自動で更新される形か
やめ方が分かっていると、親が試しやすくなります。
「1か月使って合わなければやめよう」と先に言えるためです。
抵抗が強い場合の進め方は監視せず見守る7つの方法でまとめています。
家族側の使い勝手
意外に軽く見られがちですが、続けるうえで効いてきます。
知らせを受け取るのは家族なので、家族が使いにくいと確認しなくなります。
きょうだいで分担する場合は、複数人で見られるかも確かめます。
- 家族の何人まで知らせを受け取れるか
- 過去の記録をさかのぼって見られるか
- 知らせの受け取り方(アプリ・メール・電話)
- 文字の大きさや画面の見やすさはどうか
- 通知を切りたいときに切れるか
- 家族のうち誰か一人が代表で受け取る形にできるか
- 受け取る人を、あとから増やしたり減らしたりできるか
過去をさかのぼれると、変化に気づきやすくなります。
今日だけを見るより、先週と比べるほうが分かることが多いためです。
きょうだいで見られる形なら、負担も分けられます。
項目の優先順位は、実家までの距離で変わる
7つすべてを同じ重さで見ると、かえって決められません。
重みを変える基準になるのが、実家までの移動時間です。
| 実家までの距離 | 重く見る項目 | 軽くてよい項目 |
|---|---|---|
| 30分以内 | 親の操作・知らせの条件 | 誰が動くか(家族で足りる) |
| 1〜2時間 | 知らせの条件・対応時間帯 | — |
| 3時間以上 | 誰が動くか・対応エリアと時間帯 | 家族側の細かい使い勝手 |
すぐ行ける距離なら、気づける仕組みだけで足ります。
逆に数時間かかるなら、誰が動くかを最優先で見ます。
方法の全体像は離れて暮らす親を見守る10の方法でまとめています。
選んだあとに困りやすい4つのこと
ここからは、始めたあとにつまずきやすい4つを見ていきます。
いちばん多いのが、使われなくなるパターンです。
親が使わなくなってしまった
導入した直後は、親も頑張って使ってくれることがあります。
ただ、半年後も同じように使えているかは別の話です。
一度つまずくと、そのまま置きっぱなしになってしまいます。
- 防ぎ方:親が覚えることがゼロのものを選ぶ
- 防ぎ方:設定は帰省中に家族が済ませておく
- 防ぎ方:充電や電池の管理を家族側で引き受ける
- 防ぎ方:帰省のたびに、使えているか確かめる
- 防ぎ方:使っていない機能は最初から入れない
持ち歩いてもらう機器は、置きっぱなしになりやすい点も知っておきます。
身につける習慣がつくかどうかは、選ぶ前に想像しておきます。
迷ったら、機能が少ないほうを選ぶと長続きします。
知らせが多すぎて見なくなった
親の動きを細かく知らせる設定にすると、通知が増えすぎます。
最初は見ていても、そのうち確認しなくなってしまいます。
見なくなると、本当に必要な知らせも見落とします。

知らせは少ないほうが、いざというときに気づけます。
設定はゆるめから始めて、必要なら厳しくするのがコツです。
最初から細かくすると、生活のリズムと合わずに鳴り続けます。
あとから条件を変えられるサービスを選んでおくと、調整できます。
- 防ぎ方:知らせる条件をゆるめから始める
- 防ぎ方:1か月使ってから、条件を調整する
- 防ぎ方:夜間だけ別の条件にできるか確認する
- 防ぎ方:知らせが続いたら、条件の見直しを申し出る
家族の誰も対応できない時間帯があった
知らせは届いたのに、誰も動けなかったというケースです。
仕事中や就寝中は、スマホを見ていない時間が長くなります。
気づける仕組みだけでは、この穴は埋まりません。
- 防ぎ方:家族の誰が、どの時間帯を見るか決めておく
- 防ぎ方:近所で頼める方の連絡先を控えておく
- 防ぎ方:人が向かう形まで含めて検討する
- 防ぎ方:きょうだいで時間帯を分けて担当する
- 防ぎ方:動けない時間帯を先に書き出しておく
先に動けない時間帯を書き出すと、必要な範囲が見えてきます。
平日の日中と深夜が空きやすいので、そこをどうするかを決めます。
きょうだいで分ける場合の進め方はきょうだいが親の見守りに協力してくれないときでまとめています。
やめるときに手間がかかった
合わなかったときに、すぐやめられないことがあります。
最低利用期間が残っていたり、機器の返却が必要だったりするためです。
撤去に立ち会いが必要な場合は、帰省の予定とも関わってきます。
- 防ぎ方:申し込む前に、やめ方まで確認しておく
- 防ぎ方:撤去に立ち会いが必要かを聞いておく
- 防ぎ方:返すものがあるかを控えておく
- 防ぎ方:申し出の期限を、契約時に控えておく
- 防ぎ方:契約の書類は、家族が保管しておく
やめ方を知らないまま始めると、続けるしかない状態になります。
それが分かっていると、親にも安心して勧められます。
入り口と出口を同時に確認しておくのが、この項目の要点です。
親と一緒に決める項目、家族だけで決めていい項目
7つの項目は、全部を親と相談する必要はありません。
手続きや費用の話まで持ちかけると、かえって話が止まります。
親に関わる部分だけを相談し、それ以外は家族側で決めてしまいます。
| 項目 | 誰が決めるか |
|---|---|
| 親が操作する必要があるか | 親と一緒に |
| 機器をどこに置くか | 親と一緒に |
| 知らせが届く条件 | 家族で決めて、親に伝える |
| 誰が動くか・対応エリア | 家族だけで確認 |
| 費用の内訳・契約の条件 | 家族だけで確認 |
親に相談したいのは、親の生活に直接かかわる部分だけです。
操作の有無と、機器をどこに置くかの2つがそれにあたります。
費用や契約の条件まで並べると、遠慮して断られることがあります。
費用は子ども側が持つと先に伝えると、親の気持ちが軽くなることがあります。
負担をかける話ではないと分かると、置き場所の相談にも応じてもらいやすくなります。
知らせの条件は、家族で決めてから親に伝える形が向いています。
細かい設定の話を相談されても、親のほうが困ってしまうためです。
資料を取り寄せて見比べるときのコツ
各社のサイトだけでは、細かい条件まで分からないことがあります。
資料には、サイトに載っていない条件が書かれていることがあります。
取り寄せるだけなら契約は発生しないので、比べる材料として使えます。
- 2社以上を同じ時期に取り寄せて、並べて読む
- 届いた日と、その後の連絡の有無を控えておく
- 7つの項目に当てはめながら、印をつけていく
- 親に見せる前に、家族だけで一度読んでおく
- 書かれていない項目は、問い合わせて確かめる
- 機器の写真から、親が使えそうかを想像する
- 同じ項目が書かれていない資料は、それ自体が判断材料になる
- 気になった点は、その場でメモに残しておく
1社だけ読むと、比べる基準が持てません。
同じ時期に2社以上を並べると、違いがはっきり見えてきます。
機器の大きさや操作のしかたは、写真からでもある程度分かります。
候補を2つに絞るときの決め方
7つの項目で見比べても、最後は2つくらいで迷うことになります。
そのときは、続けられるほうを選ぶと失敗しにくくなります。
機能が多いほうではなく、親が無理なく使えるほうという意味です。
迷ったときの決め方は、次の順番で考えると整理できます。
親が続けられるか、次に家族が動けるか、最後に費用の構成です。
この順番を先に決めておくと、迷う時間が短くなります。
途中で順番を変えると、また振り出しに戻ります。
費用を最初の基準にすると、使われないものを選びがちになります。
使われなければ、負担がいくら軽くても意味がなくなります。
それでも決まらないときは、やめやすいほうから試すという手もあります。
使い始めてから1か月で見直すこと
選んで終わりではなく、1か月使ってから一度見直します。
実際に使ってみると、想定と違う部分が出てくるためです。
そのままにすると、使われないまま続けることになります。
- 知らせの数は、多すぎず少なすぎずか
- 親が負担に感じている様子はないか
- 置き場所は、これで合っているか
- 親から使いにくいと言われた点はないか
- 家族が実際に確認できているか
- 確認が習慣になっているか、忘れがちか
- 機器の電池や電源に問題は出ていないか
- 想定していなかった手間が増えていないか
いちばん確かめたいのは、親がどう感じているかです。
使い心地をひと言たずねるだけで、続けられそうかが分かります。
嫌がっているなら、条件を変えるか別の方法に切り替えます。
やめると決めたなら、約束どおりすぐ外します。
そこで引き延ばすと、次に何を提案しても通らなくなります。
1か月で見直すと決めておけば、親も気楽に試せます。
入り口のハードルが下がるぶん、話も進みやすくなります。
よくある質問
見守りサービスの選び方について、よく寄せられる質問をまとめました。
- Q何社くらい見比べればいいですか?
- A
- Q費用が安いものを選んでもいいですか?
- A
- Q資料を取り寄せると営業の連絡が来ませんか?
- A
申込内容の確認で連絡が入ることはありますが、取り寄せ自体で契約は発生しません。
連絡の有無や頻度は各社で異なるため、気になる場合は申込時に確認しておきます。
比べ方は資料を取り寄せて見比べるときのコツで解説しています。
- Qどの項目をいちばん重く見ればいいですか?
- A
- Q始めたあとに変更できますか?
- A
まとめ:機能の多さではなく、続けられるかで選ぶ
見守りサービスで迷うのは、情報が足りないからではありません。
比べる項目が決まっていないまま資料を読んでいるためです。
7つの項目に当てはめて読めば、候補は自然に絞られます。
費用を最初の基準にすると、使われないものを選びやすくなります。
順番は、親が続けられるか、家族が動けるか、そして費用です。
この順で見れば、あとから困ることは少なくなります。

項目が決まったので、資料を並べて印をつけながら読んでみます。
まずは気になった2社の資料を、同じ時期に取り寄せてみてください。
並べて読むだけで、どちらが親に合うかが見えてきます。
決められないときは、この記事の7つの項目に戻って印をつけ直してみてください。

